乱視とは、目の表面にある角膜と目の中にある水晶体の形状や歪みによって焦点が合わない状態を指します。
乱視は大きく二つの種類に分けられます。
まず、角膜のカーブの程度がラグビーボールのように歪んでいる場合の乱視を「正乱視」、そして角膜や水晶体の表面に凹凸があるような感じに歪んでいる場合の乱視を「不正乱視」といいます。
多くの場合は正乱視の可能性が高いのですが、翼状片や円錐角膜といった眼の病気、眼のケガや手術の後遺症などによって不正乱視が生じることがあります。
通常は、光がこの角膜と水晶体という2つのレンズを通過して見ている状態ですが、歪みの数値が大きくなるほど強度の乱視ということになり視力に大きく影響します。
※図は実寸ではありません。
コンタクトレンズで矯正する際には、選択肢として「ハードコンタクトレンズ」「乱視用ソフトコンタクトレンズ」が挙げられます。
ハードコンタクトレンズは名前の通りレンズが硬く、装着した際に形状保持できるため光の通り方が整いやすく、角膜の歪みをレンズの形状でカバーしてピントが合うようになります。しかし、レンズの硬さゆえに角膜の歪みが大きくなるにつれて装着時の異物感が強くなりますので、角膜形状やまぶたの状態などに合わせた総合的なフィッティングから、レンズデザインの選択が重要となります。
ソフトコンタクトレンズは柔らかく、装着した際に眼の形状になじむため乱視を矯正する効果はほとんどありませんが、乱視用はレンズの厚みに差をつける設計などによって度数で乱視を矯正します。通常のコンタクトレンズは目の中で回転していますが、乱視用は回転せずに安定する事が処方の条件となるため、レンズの動きが不安定になりやすい角膜の歪みが大きい強度数や不正乱視では適応できない事があります。
乱視用ソフトコンタクトレンズ「ユーソフト」は、ソフトコンタクトレンズでありながらCYL-6.00までの強度乱視に対応しており、5°単位で非常に細かく乱視軸を選択する事ができます。
レンズの含水率は80%で酸素透過係数は44.0※×10-11(cm2/sec)・(mLO2/(mL×mmHg))
円錐角膜のような不正乱視にも対応できることがあるため、ハードコンタクトレンズの異物感や紛失に悩まされている人にとっては快適に装着できることでしょう。
ユーソフトで矯正が難しいようであれば「Eyebrid」という選択肢もあります。
当院では快適に視力が得られるように様々な選択肢のテストレンズをご用意しています。