屈折・調整異常|老視

モノビジョン

2022.05.19
老眼鏡,眼科,眼鏡,白内障

40代後半になると避けて通れないのが「シニアアイ」。

目の調節力の変化による、いわゆる老眼です。

個人差はありますが、年齢とともにピントの合う距離は離れてゆきます。

 

調節力の変化 加齢

 

いつものようにスマートフォンを見ているのにピントが合わない。というか見えにくい・・・。

というような変化を感じたら調節力の衰えへの対策を考えましょう。

ほとんどの人が「老眼」に対してネガティブなイメージをお持ちですが、調節力の低下は避けては通れない事なので、生活スタイルに合わせて無理せず付き合ってゆく事が大切です。

まず老眼と聞いたら「老眼鏡」や「遠近両用」という言葉が浮かぶのではないでしょうか?

遠近両用は、眼鏡とコンタクトレンズが主流です。(だいたいこの2つで問題は解決します。)

遠近両用の眼鏡もコンタクトレンズも通常の物とほとんど区別がつきませんので、よほどの事がない限り変えた事は周囲には分かりません。

また、レンズの性能向上や種類の増加によって慣れやすくなり、使用者の生活環境に合わせて選択する事が可能です。

それでも「遠近両用の使用は避けたい」という人には、もう一つの選択肢としてモノビジョンという方法があります。

原理は下の図のようなイメージです。

 

 モノビジョン 見え方イメージ

 

全ての人に適応があるとは限りませんが、「通常のコンタクトレンズを使用して遠くも近くも見る」事が可能です。

モノビジョンは、例えば右目で遠くを見て左目で近くを見るというように、わざと左右の目に別々の役割を持たせます。そして両目で見ると脳が自然に認識します。※逆の場合もあります。

それなら「老眼鏡や遠近両用は必要ないよね?」となりそうですが、なかなかそういう訳にはいきません。

目から入った情報は脳が認識しています。左右それぞれの目で見ている像を脳が自然に一つの像として認識するため慣れが必要になります。※個人差があります。

眼鏡での使用には不向きです。コンタクトレンズの場合は目に密着しているため度数の違いによる像の大きさの変化が少なく適応しやすいのですが、眼鏡の場合は近視用レンズの度が強くなるほど像が小さくなり、遠視用レンズでは像が大きくなるため、左右で見ている像の大きさが異なる事になります。そうすると脳の処理能力が追い付かず眼精疲労・頭痛など長時間の使用が難しくなることがあります。(もともと左右の見え方に差がある場合はこの限りではありません。)

また、年齢とともに目の調節力は衰えますので、遠くと近くをしっかり見るためには必要に応じて左右の差を広げなければならず、左右差の限度を超えると見え方に支障をきたす事があります。

左右の見え方に差をつけることで、遠近感や立体感が掴みにくい・見え方がスッキリしないように感じる事があります。

個人差はありますが、モノビジョンで全てに対応する事は限界がありますので、状況に応じて遠近両用や老眼鏡に切り替えるなど使いやすい方法を選びましょう。

眼科での診察には保険証が必要です。