屈折・調整異常|ドライアイ

涙のはたらき

2017.05.26
涙とコンタクトレンズの関係

いつも目を潤している涙。
感動したり、悲しい時などにも出る涙。
この涙の働きをご存知ですか?
過酷な環境にある目を守ってくれているんです。

 

涙には次のような働きがあります。

・バイ菌などの侵入や感染を防ぐ。

・ゴミや埃を洗い流す。

・角膜に酸素や栄養を届ける。

・目が鮮明な像を結べるように角膜表面を滑らかに保つ。

多くの働きを持つ涙が無くなると眼はとても大変になります。

 

~ 皆さんがいつも無意識にしている「まばたき」 ~

1時間に約1,500回もまぶたは活躍しています。このまばたきによって、涙は目の表面に行き渡り、潤いを与えて角膜を保護しているのです。

しかし、目を開け続けたり、涙が減ったりすると、目の表面に「ドライスポット」という乾燥した部分が現れます。

ドライスポットが残ると、痛みに敏感で傷付きやすい角膜が剥き出しになり、角膜上皮障害が起こります。他にも物がかすんで見える・ゴロゴロとした異物感・目が疲れやすいといった症状があります。

ドライスポットのある目は、涙の膜が均等ではなくデコボコになっています。

水面がピンと張って水の中が見える状態が正常な目の表面とすれば、波紋が立って光が乱反射し水中が見えない状態が「乾燥してデコボコした表面」というように、乾燥は視力に大きく影響することがあります。この状態に眼鏡で矯正しても不安定な視力になることが多いです。

 

~ ドライアイになる原因はどこにあるのでしょうか? ~

PCやスマートフォンなど電子機器の長時間使用は、まばたきの回数が減り乾きます。

・エアコンなどの空調により涙が蒸発しやすくなります。

・睡眠不足やストレスは、涙の量や質を低下させることがあります。

これらの条件に加えてコンタクトレンズの使用があると、乾燥感や刺激など症状が更に強く出ることがあります。

涙とコンタクトレンズの関係

低酸素透過性のソフトコンタクトレンズ装着時に乾燥すると、角膜がコンタクトレンズによってピッタリとフタをされた状態になります。こうなると、角膜には涙がどこからも入れなくなり、酸欠を起こしてダメージを受けます。この状態が長く続くと角膜に酸素を補おうとして血管が角膜の中にまで入ってきます。これを「血管侵入」といい、進行すると角膜が白濁し、最悪の場合、失明につながる事もあります。また、角膜浮腫や剥離など強い痛みを伴った眼障害を起こしてしまう事があります。特にカラーコンタクトレンズ使用者に多いです。

 

 コンタクトレンズのトラブルについてはこちら→

乾燥で注意しなければいけないのは、いくら目薬を使用しても潤うのは一瞬ということ。1度にたくさんの目薬を使っても目からあふれるだけです。コンタクトレンズの表面が濡れてもすぐに乾いてしまい角膜までは届きません。角膜が潤わなければ、ほとんど意味がないのです。

 

眼が乾く、ゴロゴロといった何らかの異常が出た場合、原因を根本から知ることが大切です。

ドライアイに詳しい眼科専門医の診察を受けて適切な治療を受けましょう。