「流行性(角)結膜炎」
暑くなってきて増えつつある症状があります。
そう!「流行性(角)結膜炎」(はやり目)です。
ウイルス性の病気で、ウィルスの型によって症状が異なります。
「アデノウィルス」が原因となっており、流行性(角)結膜炎はアデノウィルス8型によるもので、「めやに」、「充血」、「ごろごろとした異物感」、「腫れ」、「眩しく見える」などの症状が出ます。
アデノウィルス3型・4型による「急な発熱」、「咽頭炎」、「結膜炎」といった症状が出る咽頭結膜熱(プール熱)もあります。これは夏のプールなどを介して免疫力の低い小さなお子様に多く見られます。
発症した人の中には身に覚えが無い人も多いですが、タオルの共有・ドアノブ・吊り革・手すり・エレベーターのボタンなど、多くの人が触れる日常生活のいたる所にウィルスは潜んでいます。
1、感染している人が目を触った手でドアノブなどに触れる
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2、それを気が付かずに触った手で眼を触る
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3、感染
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4、5日~10日ほどの潜伏期間
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5、発症
というパターンです。
潜伏期間があり、すぐに発症しないのでどこで感染したのかは分からない事がほとんどです。
はやり目は空気感染することはありませんが、ウィルスの型によっては咳による飛沫感染する種類もあります。
保育園や学校などでは、小さなお子様が感染して、親御さんが感染するパターンは非常に多いです。感染した場合、保育園等への登校は法律で禁止されています。他のお子様や先生への集団感染を起こす危険がありますので注意して下さい。
治療方法は?
残念ながら現在ウィルスへの特効薬はありません。自然治癒を待つことになり、程度によりますが、治癒には数週間かかります。症状が治まっても、2~4週間ほどウィルスが排出される事がありますので注意が必要です。
特効薬が無いと言っても、病院に行くことが無駄というわけではありません。むしろ重要です。
治療方法は、抗菌目薬やステロイド系の目薬で2次感染・重症化を予防しつつ治療します。
ウィルスの型によっては、症状が悪化し角膜にまで感染してしまうと治癒に数ヶ月かかります。角膜が障害を受けてしまうと、本来透明な角膜に濁りが残る事があります。これを角膜混濁と言います。1度濁った角膜は時間が経っても完全に元に戻ることはありません。
濁った部分は、すりガラスを通して見ているような状態になりますので、濁りの場所が角膜中心部に近くなるほど視力に影響します。角膜が濁ってしまうと眼鏡やコンタクトレンズでも視力を上げる事は出来なくなります。
経過観察しながらの治療となりますので、医師の指示に従って治療を受けるようにしましょう。
感染しないためには?
流行性(角)結膜炎の予防には流水による手洗いが非常に大切です。
アルコール消毒のみではほとんど効果がありません。また、むやみに眼や口を触らないように気を付けましょう。
感染してしまった場合、感染を広げない為に。
・タオルやシーツなど粘膜に触れるような物は個人用として使用し一緒に洗濯しないこと。
・使用後の食器類は煮沸消毒する。
・目を拭く際はティッシュを使用しビニール袋などに入れて処分する。
・感染した人は最後に入浴し、洗面器は使用後消毒する。
・体力を落とさない。
・こまめに手を洗う。 などです。
出来るだけウィルスとの接触を避けるようにしましょう。
上述しましたが、目に見える症状が治まってもウィルスが排出される事がありますのでご注意下さい。
まぶたの腫れや目やに・充血がある場合は眼科医に相談しましょう。