屈折・調整異常|飛蚊症

ぶどう膜炎

2017.10.07

眼球内部の「脈絡膜」(網膜の外側にあり、たくさんの血管が通っていて、網膜に酸素と栄養を供給します)、「虹彩」(瞳孔の大きさを変えて目に入る光の量を調整します)、「毛様体」(水晶体の厚みを調整してピントを合わせます)この3つの器官を総称して「ぶどう膜」と呼びます。そして、ぶどう膜で炎症が起こることを「ぶどう膜炎」と呼びます。

 

「サルコイドーシス」、「原田病」、「ベーチェット病」がぶどう膜炎の最も多い原因となりますが、炎症は血液中の白血球がウィルスや細菌等を排除し組織を修復する働きに大きく関係しており、もともと血管が多いぶどう膜は炎症を起こしやすい器官なのです。ですから、ぶどう膜炎を起こした原因が体の他の部位に起こった異常(膠原病・悪性腫瘍・関節炎・糖尿病・腸疾患など)に関係している事も多く、正確な原因が分からない事もあります。

 

ぶどう膜炎により起こる症状として視力低下があります。ぶどう膜炎により発生した炎症性細胞が眼球内部の透明な房水や硝子体に広がると濁りが発生します。この濁りによって霧がかかったように見えたり、光が乱反射してまぶしく見えたりすることで視力が低下します。また、脈絡膜に接している網膜にまで炎症が及びやすく、網膜剥離など失明につながる深刻なダメージを受ける可能性があります。また視界に黒い物体が見えるようになる飛蚊症や、結膜の充血、痛みが出ることがあります。

 

ぶどう膜炎は、症状が治まったようにみえても再発の恐れがあるので自己判断で中止しないようにしましょう。

薬についても深刻な副作用があるものもあります。むやみに使用し続けるとリスクが伴います。

また、緑内障や網膜症などの合併症が進行している可能性もあります。自覚症状が出にくく、視野障害に気が付いた時には手遅れで取り戻せません。

ぶどう膜炎は失明の危険がある病気です。

きちんと医師の指示に従って根気よく治療する事が大切です。