人間が知覚できる最も波長の短い光は紫色光として感じられます。
紫色よりも波長が短い光を紫外線と言います。英語では「ultraviolet」略してUV。
紫外線には波長によって種類があり、その中でも地表に届く「UV-A」、「UV-B」はよく耳にするかと思います。
UV-Aは、紫外線の中でも波長が長く、通常のガラスや雲などは通り抜けて、もっとも地表に届きます。
じわじわと肌の奥深くまで浸透し、シミ・しわ・たるみなど皮膚の老化を促進します。また、生成されたメラニンを酸化させて肌を黒くする作用があるので注意が必要です。
UV-Bは、地上に届く全紫外線のうちの約1割ですが、UV-Aよりも波長が短く、強いエネルギーを持っています。そのため、日焼けなどで肌が赤くなるような急激な変化をもたらしたり、結膜炎や白内障の原因にもなります。強い紫外線を浴びた時にメラニン色素が過剰に生成されると、しみやそばかす、あるいは皮膚がんなどの原因となる恐れがあります。
目に紫外線を受けると肌にも影響する事はご存知の方も多いと思います。
なぜかというと、目に強い紫外線を受けると角膜(目の表面にある透明な組織)に炎症が起こり、防衛反応としてメラノサイトからメラニンが生成されるからです。
目に日焼け止めを塗る事は出来ませんので、サングラスやコンタクトレンズで目を保護する事が大切です。
「紫外線予防=濃い色のサングラス」と思っている人が多いようですが、色の濃さは、眩しさを軽減したり、見やすくする効果があります。
紫外線をカットするだけであれば、UVカット機能付きの透明なレンズでも可能です。
ただ紫外線は上だけ注意していれば良いというものではありません。
紫外線は地面や壁など色々な場所を反射して、様々な角度から飛んできています。
ですから選ぶなら目の正面だけを覆う程度で上下左右に隙間が多い物よりも、しっかりとカバー出来るタイプの使用をおすすめします。
日焼けを気にする人が多い紫外線ですが、長期的に紫外線に曝露することで「見る」という事に大きな影響を与えるのが紫外線です。
「白内障」という眼病は、目の中でレンズの役割をする水晶体に紫外線のダメージが蓄積して濁ってしまう病気です。
濁りが進行すると、すりガラス越しのような視界になり、眼鏡やコンタクトでは視力が矯正できなくなります。
白内障の種類によっては急激に視力に影響する場合もあります。
「翼状片」という眼病は、結膜(白目)が角膜(黒目)に侵入し、症状が進行すると侵入した結膜組織が視界を遮るようになります。
「瞼裂斑」という白目部分に隆起がおこり黄色く変色し、シミのようなものができるという見た目に影響する眼病もあります。
紫外線は年中存在しているので寒い時期でも油断は禁物ですが、特に紫外線が強くなる時期はくれぐれも注意が必要です。
帽子、日傘、サングラス類、UVカット付きコンタクトレンズなどで対策をとりましょう。